『一番確実なのは不動産投資だった! 』

一番確実なのは不動産投資だった!

一番確実なのは不動産投資だった!

『一番確実なのは不動産投資だった! 』 萩原 知章

不動産投資物件の検索サイトで有名な、健美家の代表が書かれた本。

今まで数ある不動産投資本が発行されていますが、この本は最初に読むべき本だと思います。

なぜなら、不動産に限らず、投資全般にまつわるベースの意識を固められるから。
全ての投資はマクロ経済の影響を受けており、その上で成り立っています。
つまり、この経済観点をしっかり意識、実践することがリスクコントロールにつながり、
結果的に安全な投資、大きな成果を導きます。

不動産投資はこうやれば儲かる!という、よくあるテクニック本を目先とするならば、この本は大局を考えさせてくれる本です。

ビジネスとして長期的に不動産投資をとらえるとともに、グローバル化した経済や歴史を学ぶことの重要性を改めて感じさせられる内容でした。

そういった意味では投資全般やビジネスにも共通する内容で、不動産投資本でありながら、他と一線を画す良書です。

そんな著者が予測する今後の投資用不動産の世界。
・日本人の賃金は世界的な競争により大きく低下。それに合わせて住居に掛けられる費用も低下する。
・鉄道の高速化により飛行機よりも鉄道の重要性が高まる時代になる。新幹線よりもリニアモーターカーの登場で市場が大きく変化する。
・大都市への人口の集中はより顕著になり、大都市に物件を持つことの優位性が高まる。
・私鉄よりもJRのほうが重視される。再開発で人の流れの変わる地域が多数出る。
・ネット社会が複雑になり過ぎた反動で、多くの人がアナログに戻る。日本のよさが世界的にも見直されて海外からの資金・人員・文化の流入が増える。

不動産投資で勝てる投資家には特徴があった。
・不動産がとにかく好きな人。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるが、最終的には好きな人には敵わないし勝てない。
・1つの専門分野を極めた人物でなく、複数の専門分野を持つこと。 スペシャリスト→ジェネラリスト
・過去の不動産の歴史を知り、流れを掴むことでバブルを見極め冷静な対処が可能になる。
・実際に不動産投資を開始する前にある程度の勉強をして、自身の投資スタイルを確立しておく。
・読書を多くし、セミナーなどに積極的に参加して人脈を広げていくこと。

全般が不動産投資本というよりも「不動産を中心とした未来予想図」といった内容です。
だから他の不動産投資本との類似点は少ない構成です。具体的な手法を指南するような本でもありません。

しかしながら、誰でも書けるような内容ではないのは、ウェブサイトから投資用不動産の世界をある意味リードしてきた著者の「面目躍如」